網膜とは?
ものを見るための重要な役割を担っています。
網膜は目の奥にある薄い神経の膜で、私達が見る情報を脳に送る中枢神経になります。網膜の中で一番奥にある部分を黄斑と呼び一番重要な部分になります。黄斑部には、視力や色の識別に関係している細胞があります。
網膜は主に神経細胞で構成されており病気で障害されると元に戻りませんので、網膜疾患に対しては早期発見、早期治療が重要になります。
硝子体とは?
硝子体は細かい線維でできた透明のゲル状の物質です。眼球の中に満たされています。
光が通りやすくなっており、目の形を保つのに役立っています。
目の水平断面図
網膜はカメラでいうフィルムの役割
ものを見るとき、光は角膜を通って瞳孔から眼球内に入ります。水晶体で屈折されたあと、硝子体を通り、網膜に到達します。このとき網膜で感じ取られた光の刺激が視神経を通って脳に伝えられ、「見える」と認識されます。
つまり網膜は、カメラに例えるとフィルムのような役割を果たしているといえます。
飛蚊症(ひぶんしょう)
飛蚊症とは?
チラチラと黒い虫のようなものが動いて見える状態のことをいいます。
症状が出る年齢はさまざまで、20代から発症する患者さまもいらっしゃいます。
原因としては、生理的なものと、目の病気による症状のものが考えられます。
生理的な原因
加齢により、硝子体から剥がれてしまった網膜が黒い点のように見えることもあります。(硝子体剥離)。そのまま放置しても問題はありません。自然と気にならなくなります。
病気が原因
飛蚊症を引き起こす代表的な病気に「網膜剥離」があります。その他にも、硝子体出血、ぶどう膜炎などの病気の可能性もありますので、飛蚊症を発症したときは、まず眼科で検査を行った方がよいでしょう。
治療方法について
生理的な原因の場合は、特に治療は必要ありませんが、網膜剥離などの病気が原因の場合は、早急な治療が重要となります。
飛蚊症の原因が何なのかをはっきりさせることがとても大切です。
硝子体出血
硝子体は、目の奥にあるゼリー状の組織です。糖尿病や高血圧、外傷が原因で硝子体の中に血が溜まってしまう状態を硝子体出血といいます。
出血は短期的なものがほとんどで、軽度な出血の場合は飛蚊症として自覚することができます。
治療法について
硝子体手術
硝子体手術により、血液が溜まった硝子体を除去し、再出血を予防します。
中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらく)
目の奥の中心部分に水が溜まり、網膜剥離を引き起こします。
視力低下や物がゆがんで見えるなどの症状があり、働き盛りの中年男性に多く、身体的・精神的なストレスが誘因ともいわれています。
視力自体は変わりませんが、再発を繰り返すことにより低下する可能性もあります。
このような症状はありませんか?
- 視力が低下する
- 視野の中心が暗く見える
- 物がゆがんだり小さく見える
- 違う色で見える
- 遠視になる
検査方法
眼底検査
出血や網膜のむくみ(黄斑浮腫)を調べます。
蛍光眼底造影
造影剤を使用します。眼底カメラで網膜や脈絡膜にある血管の状態を観察します。
血管の位置や形、血液からの血液中の水分の漏れ具合などがわかります。
注射後、造影剤が漏出し眼底に広がっていくのがわかります。
治療方法
基本的に自然治癒する病気ですが、数カ月たっても治らない、再発を繰り返すという場合に光凝固術を行います。
水が漏れている漏出点が、確認できない場合、中心窩と重なっている場合などは、レーザーを当てることができません。
レーザー光凝固術
液体の漏出部分にレーザー光線を照射して、細胞を凝固します。
裂け目がくっつくため、網膜がはがれにくくなります。
網膜色素変性
遺伝性で網膜に異常がみられる病気です。暗い所だと見えづらい(夜盲)、視野が狭い、視力が低下するなどの症状があります。
個人差はありますが、症状はゆっくり進行していきます。急に見えにくくなった場合、別の合併症を引き起こしている場合がありますので、早めに診察を受けましょう。
治療法
根本的な治療法は見つかっておらず、症状の進行を遅らせる点眼や内服薬があります。