黄斑とは?
黄斑とは網膜中心にある直径2mm程度の小さな部分の事です。ものの形、大きさ、色など光の情報の大半を識別しており視力に最も大事なところであります。黄斑が障害されると視力が著しく低下します。黄斑円孔は放っておくと下の真ん中が見えなくなり、放置した場合、視力は0.1まで低下します。
黄斑円孔
黄斑部の網膜に円形の穴(円孔)があいてしまう病気です。
ものが歪んで見えたり、見たい中心部が暗く見えるなど特徴的な症状が生じます。進行すると視力が低下します。
目の中にある硝子体(ゼリー状の組織)が年齢とともに収縮し、網膜から剥がれます。
その際に黄斑部の網膜を引っ張ることが原因となり、穴(円孔)が形成されます。
検査・診断
眼底写真検査で容易に診断が出来ます。
また光干渉断層計(OCT)で、病気の進行(ステージ分類)の確認が可能です。
治療方法
硝子体手術のみが治療法となります。
硝子体を網膜から剥がして切除(硝子体は切除しても視覚に直接的な影響はありません)し、眼球内部に気体(空気やガス)を注入して手術を終了します。
手術後にうつぶせ体位になることで網膜がガスに抑えつけられ、円孔が閉鎖します。
手術は局所麻酔を用いて、20~40分程度かかります。
その日にご自宅に帰ることが可能です。
黄斑円孔についてQ&A
術後、視力はどのくらい戻りますか?
初回手術で98%以上の黄斑円孔の閉鎖率になりますが、視力の回復度には個人差があります。
術後の予後が良い因子として1)進行して間もない黄斑円孔、2)診断がついて早め(1ヶ月以内)に手術をした黄斑円孔になります。
手術後の安静、体位で気をつけることは?
手術中に眼内に入れた空気により円孔を閉鎖する必要があるため術後に、うつぶせの状態を保つ必要があります。横たわっても座っても問題ないですが、後頭部が上になる姿勢をとることが必要です。 うつぶせの期間は従来は1週間程度が目安で患者さまの負担も大きかったのですが、近年この手術に関する様々な知見から術後48時間が重要であることがわかってきました。そのため手術後2日間のうつぶせ安静が必要となります。
手術の合併症は?
網膜剥離や硝子体出血などで再手術を要する場合があります。
頻度としてはそれほど多くありませんが術後数ヶ月の間に生じることがあり検査が必要になります。
見え方が変わる可能性があるためそれに気をつけ、少しでも違和感や異常がありましたらすぐに受診して下さい。
尚、白内障手術は合併症が一番多く、60歳以上の患者様は黄斑円孔の手術と同時に白内障の手術も行います。